〜〜〜 学校長あいさつ 〜〜〜

 高洲南小学校は本年度で創立40周年の年を迎えました。開校以来、校訓『自立 愛』のもと、学校経営の核に「授業づくり」を位置づけ、「よりよく生きようとする人」を育てたいという思いで、生徒指導の五本の柱を基盤にした「『生徒指導が機能する授業』で人を育てる」を目指して研修を重ねてきました。平成2年度からは研修テーマを『感動ある学習の創造』とし、教材の本質にふれることによりわきあがってくる感動『確かな学び』と、かかわり合い、学び合うことにより生じる感動『響生の学び』を両輪に授業研究を行い、6年間で育てたい子どもの姿である、現在の学校教育目標でもある『互いが育つかかわりのできる子』の具現を目指しています。
 本年度も中央教育審議会委員としてご活躍の横浜国立大学名誉教授、木展郎先生からご指導をいただきます。木先生のご指導を受けながら、予測が難しく、変化の激しいこれからの未来を切り拓く子どもたちに必要な資質・能力を育むよう努めていこうとスタートを切りましたが、新型コロナウイルスの蔓延により6月に予定されていた木先生を迎えて研修の機会を中止せざるを得ない状況に陥りました。しかし、今まで本校が継承し、目指してきたものはまさに『主体的、対話的で深い学び』を確かにするという実践であると信じ、この状況下に於いても、常に子どもの具体の姿を捉え、分析し、語り合いながら「授業の真ん中に子供たちがいる」ことを大切に、授業実践を積み重ねていきます。(木先生を迎えての研修の機会は9月にも予定されています。予定通り実践できることを願っているところです。) 
 この授業実践には、藤枝市全体の授業力向上に向けた様々な施策や若手教員育成のための「教師塾」の先生方、年間を通し各学年の授業の助言をお願いしている講師の先生方のご指導も欠かせません。心より感謝いたしております。

本校の授業づくりは、教師だけでなく、子どもたち自身が積み上げてきていることに大きな意味があります。授業だけでなく、すべての教育活動の中で生徒指導を機能させ、子どもから子どもへの発信を大切にしてきました。また、授業時数の確保が難しい年ではありますが、授業や集会活動の後、自分や集団としてのあり方を見つめる振り返りの時間も重要なことと捉え、子ども同士が語り合い、よさを共有すると共に、課題を明確にして次の活動へとつなげる活動もできる限り継続していきたいと考えています。子どもから子どもへの語りかけは、実感を伴って子どもの心に浸透し、子どもから子どもへと受け継がれ、まさに子どもがつくる学校の文化となっています。同時に、教師が子どもの姿を通して自分の指導を振り返る大切な機会となっています。授業と様々な教育活動をつないだ子どもと教師の課題意識の共有が、次の取り組みに活かされ、子どもの成長を支えていると考えます。

今年度も「聴く心」「思考する間」「動き出す姿」を研究の3重点に掲げています。そしてこの3重点と的確な『教師の出番』が絡み『確かな学び』と『響生の学び』が営まれる授業の中で、『感動ある学習の創造』に向かっていきます。

今年度も11月13日(金)に研究発表会を予定しております。新型コロナウイルスの蔓延が終息し、多くの皆様からご指導をいただける日が迎えられることを強く願っております。

藤枝市立高洲南小学校長   池 田 文 昭